IE9ピン留め
マグロの町。
 稲村ケ崎喜三郎(68歳)はマグロの町、青森県大間町の近海マグロ漁師である。

マグロ漁師生活40年。

大間のマグロ漁師の中でも大物の喜三郎と呼ばれ大物近海マグロ漁師のベテランである。


 だが、この五年超大物マグロとは遭遇していない。

  
 そう、あれは、五年前、喜三郎の心揺さぶる超大物マグロがいたのである。

その超大物マグロは、大間のマグロ漁師のなかでは、氷のマグロと言われ、

クールに、クールに、数々の大間マグロ漁師の策略をくぐり抜けてきた超大物マグロなのである。

そして、それは、喜三郎の針からもクールに逃れ、その超大きな姿を、誇示するかのように、

喜三郎の前をクールにジャンプして消えていったのである。


 それから、五年。

喜三郎は、待っていた、超大物マグロ、氷のマグロを。


 それは、それは、とても寒い冬のしけの日であった。

もちろん、そんな日には仲間のマグロ漁師は誰も出航しない。

だが、喜三郎は、なにかを感じたのかもしれない、

あいつが、あいつが、もしかしたら、もしかしたら、現れるかもしれない。


 喜三郎は、その感覚だけを頼りにマグロ漁をしてきたベテランである。

そう、そう、そして、その感覚は正解だった。


 喜三郎が烏賊を餌にしたマグロ一本釣りの針を荒れた海に投じると、すぐさま当たりがあった。

ぐいぐいと糸を引っ張るこの感覚っ。

おおつ、これは、っ、そう、あの、五年前の、あの感覚っ。

こ、こっこっこれはっ、幻の氷のマグロっ!!


 喜三郎は、そのぐいぐいくる手ごたえに喜三郎は狂喜乱舞するのである。

やっと、やっと、やっと、やっと、やっと、戻ってきたっ。

このために、このために、もしかしたら、五年間待っていたのかもしれない。

おお、氷のマグロっ!!

きっと、きっと、釣り上げてみせる。

この、この、この、





稲村ケ崎喜三郎(68歳)がっあーー!!!!













と、と、いったわけで、

icedayさん復活おめでとうございますは。
# by katuo0076 | 2012-01-15 20:51 | Trackback | Comments(4)
完走報告(富田林薫)
完走できました。

ありがとうございました。


今年の題詠100首。
# by katuo0076 | 2011-11-03 19:04 | 題詠blog2011 | Trackback(1) | Comments(6)
100:完(富田林薫)
完璧な球をたくして伝書鳩すべての空に放たれてゆけ
# by katuo0076 | 2011-11-03 18:46 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
099:惑(富田林薫)
正さを支え合えたらあたたかなひかりを回れ惑星となる
# by katuo0076 | 2011-11-03 18:45 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
098:味(富田林薫)
ターコイズブルー口にふくんで味覚から氷のように痺れていった
# by katuo0076 | 2011-10-30 18:05 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
097:毎(富田林薫)
毎日をくらげのようなあかるさに過ごしてゆくの海に帰れば
# by katuo0076 | 2011-10-30 18:04 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
096:取(富田林薫)
取りあげて外の世界のあかるさの未来のような泣き声のする
# by katuo0076 | 2011-10-30 18:02 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
095:遠慮(富田林薫)
遠慮なく飲み干すようにあかときのカシスオレンジ確かめなさい
# by katuo0076 | 2011-10-30 18:00 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
094:裂(富田林薫)
金の糸を織り交ぜながら深層の裂け目を縫って暮らしています
# by katuo0076 | 2011-10-30 17:59 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
093:迫(富田林薫)
迫るものが大きな罰であるように何もできない連れてゆかれる
# by katuo0076 | 2011-10-30 17:56 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
092:念(富田林薫)
どこまでも記憶のようなこの森にあなたであった植える記念樹
# by katuo0076 | 2011-10-22 20:21 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
091:債(富田林薫)
ノルウェーの森の静かに雪ふるように債務時計の刻まれてゆく
# by katuo0076 | 2011-10-22 20:20 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
090:そもそも(富田林薫)
そもそもと切り出した後の静寂のコーヒーカップにかすか秋色
# by katuo0076 | 2011-10-22 20:19 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
089:成(富田林薫)
くちびるの冷水の悲しみを共にあなたは成功者となればいい
# by katuo0076 | 2011-10-22 20:17 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
088:湧(富田林薫)
湧くひとになって砂漠のかなしみを薄めてゆけば碧いオアシス
# by katuo0076 | 2011-10-22 20:16 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
087:閉(富田林薫)
天国に開け放たれる回転ドアをいつまでもどこまでも閉じてゆく
# by katuo0076 | 2011-10-22 20:15 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
086:貴(富田林薫)
まちがえてひぐち君ヘアー 昨夜から貴族の乾杯の夢を見る
# by katuo0076 | 2011-09-18 19:57 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
085:フルーツ(富田林薫)
わたしだけフルーツ籠からこぼれ落ち白い机になっていました
# by katuo0076 | 2011-09-18 19:56 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
084:総(富田林薫)
房総半島のひとが花の匂いをさせて海沿いをゆくように出会う
# by katuo0076 | 2011-09-18 19:55 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
083:溝(富田林薫)
めをとじるかすかこれがひかりでしょうか暗い溝を埋めてゆく
# by katuo0076 | 2011-09-18 19:54 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
082:万(富田林薫)
万力で挟むあたまの重さどこからか重力に逆らえと声がする
# by katuo0076 | 2011-09-18 19:53 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
081:配(富田林薫)
しばらく見ないうちに大きくなって 覚えてますか空の配色
# by katuo0076 | 2011-09-10 19:00 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
080:結婚(富田林薫)
海沿いは立入禁止 昨日まであんなにも結婚式だったのに
# by katuo0076 | 2011-09-10 18:58 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
079:雑(富田林薫)
捨てられる雑誌のように感情をビニール紐できつく結わえた
# by katuo0076 | 2011-09-10 18:57 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(2)
078:卵(富田林薫)
ああ、それが望みであって春の日を一斉に孵化する無精卵
# by katuo0076 | 2011-09-10 18:55 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
077:狂(富田林薫)
剣を抜くことも忘れてゆりかごの 眠れ、眠れ、眠狂四郎
# by katuo0076 | 2011-08-27 19:05 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(2)
076:ツリー(富田林薫)
夕暮れのスカイツリーのアンテナに生まれ変わって心を放つ
# by katuo0076 | 2011-08-27 19:04 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
075:朱(富田林薫)
本日の夕焼け予報 この街は、赤のちオレンジ、所により朱
# by katuo0076 | 2011-08-27 19:03 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(2)
074:刃(富田林薫)
西日より長い刃の影を踏みつちふまずから泣き出しそうだ
# by katuo0076 | 2011-08-27 19:02 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(2)
073:自然(富田林薫)
伝書鳩に秋の手紙をたくしたら数えてねむる空の自然数
# by katuo0076 | 2011-08-27 19:00 | 題詠blog2011 | Trackback | Comments(0)
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