ピンポンんんんんんん♪
誰か来たようだった。 「はい!どなたぅ?」 私がドアを開けるとそこには身の丈1mはありそうな巨大な三毛猫がいた。 「はいごめんよっ!」 巨大な三毛猫はそう言うと、遠慮せずにズカズカと私の部屋に入りこんできた。 「座布団!」 「あっ・・・・。はぃぃぃぃ!!」 戸惑う私に遠慮なく座布団を要求する三毛猫。 「あの~・・・・・・・・・・・・・。どちら様でしょうかぅ??」 「ご覧の通り三毛猫だあねっ!」 「あっっ!はぃ!それは良く判りますがぅ・・・・。私、三毛猫様に知り合いはいなかったと思いますぅ・・・。」 「そう!別に知り合いではないと思うよ!」 「では・・・・。何故?ココに来られたのでしょうかぅ??」 「コタツ!」 三毛猫は私の質問なぞの答える気はまったく無いのであろうか?今度はコタツを要求してきた。 「はっぅぅ!実はコタツはまだ出してないのですぅがっぅ・・・。」 「猫が来たらコタツでだろ!猫はコタツで丸くなるって!まさか!!知らない訳じゃないだろうな!」 「はははっ!知っておりますぅ!!すぐにっ!すぐにぅ!」 私は押入れの中に仕舞い込んであったコタツを取り出しセットした。 三毛猫はサッソク座布団をコタツの前に置き丸くなった。 なんせ身の丈1mはありそうな三毛猫である・・・。中には到底入れそうも無かった。 「うむ!やはりコタツはいいなっ!」 中には入っていない、しかもスイッチも入っていない・・・。しかし、三毛猫は満足そうであった。 三毛猫が満足そうなので、私は先ほどの質問の続きをしてみようと思った。 「あのぅぅぅ~・・・・・・・・。ところでご用件はぅぅ???」 「おでん!」 「はっ????????」 「だからっ!おでん!が食べたい!」 「はっっぅ!!おでん!ですかっ!」 やはり、私の質問にはまったく答える気がないようである。そして、今度はおでんが食べたいと言い出したのである。 しかし・・・。 猫がおでん食べるか??熱いだろうぅ??猫舌って言うよなっ・・。 そこで私はその質問をしてみる事にした。 「あのぅぅ・・・。猫様で御座いますよねっぅ??」 「いかにも!我輩は猫である!」 「熱いぃぃ!おでんとかお食べになられるのでしょうかぅ??猫舌って熱いものが苦手なんじゃないでしょうかぅ??」 「幻想だっ!」 「はっ???????」 「全ては勝手に人間が作り出した幻想に過ぎない!猫が熱いものが苦手・・・。猫はコタツで丸くなる・・・。全ては人間の思い込み・・。幻想に過ぎない!」 「あぃぅ・・・・・・・・・。」 三毛猫の口から哲学的な言葉が出てくるてゃぅ思いもしなかったっぅ・・・。 「そうっっぅ・・。で御座いますかっぅ!!」 と言うしかなかった・・。 「じやっ!サッソクおでんを作ってくれ!」 「はぃ!はぃ!かしこまりましたぅぅぅ!」 「ところで、おまえっ!おでんの作り方しってるか?」 「あっ・・。え~・・・。おでんの素で材料を煮ればいいのでしょうぅ・・。」 「駄目だな!!そんなんじゃ駄目だ!」 「あっ・・・・・・・・。はぃ・・・・・・・・・・・・。」 何故??突然やってきた三毛猫に駄目ダシされなければイケないのでしょうか?まっぅ確かにおでんの作り方は良く判っていないかもしれませんがっ・・・・。 「とりあえず、材料買って来ぃ!これと、あれと、それと、これと、あれ!俺が作ってやるから。」 「はっ・・・。はっぅぅぃ!」 私は三毛猫に言われるままに材料を買ってきました。 「はぃ!お待たせしましたっぅ!」 「はい!ご苦労!」 三毛猫は座布団から立ち上がり台所で私の買ってきた材料を吟味しながらこう言った。 「俺はなっ!こう見えても、創業大正4年おでんで有名な浅草の大多福で10年の修行を積んできたのよっ!おでんにはうるさいのよっ!」 「ははっぅ!そうで御座いますかっ!!」 三毛猫がおでんやで修行を積んできたってのも変な話であるが・・・。 そんな事突っ込んだら怒られそうであったので・・・。 私は何も言わずに台所の椅子の上に乗って作業する三毛猫を見守った。 あざやかな手つきであった。 流石10年修行してきただけはある。 しかし、どうやって調理器具をその手?前足?に持っているのであろうか?? 残念ながらその手元は霞んだ様に良く見えないのであった。 日本酒、利尻昆布、鯖節、鰹節を使って手際よくおでんダシを作っていく。 その煮詰めないような火加減の調整具合は到底・・・三毛猫とは思えなかった。 「おでん大根!!おでん大根!!まずこれからやるから!ちょっと時間が掛かるからなっ!」 三毛猫はそういうとこれまた鮮やかな包丁さばきで大根の皮をむき始めた。 「大根の皮は大胆に!ばっさ!ばっさ!と厚手にむくのがポイントよっ!」 解説入りである。 「はあっ・・・。」 「そしてら、約3cm!!の輪切り!!面取りをお忘れなく!あと!片面のみに約1/3の深さで隠し包丁(約5mm間隔の編みめ状のカット)これも大事なポイント!!」 「あぅ・・。はぃぃぃ・・・。」 「そしたら、煮始めるんだけど・・。とりあえず3時間なっ!!そして冷やして、ダシを入れたタッパに移して一晩冷蔵庫で冷やす・・・。そして明日も同じ工程なっ!出来上がりは三日後になるからっ!」 「あははああぅ?三日もかかるのですかっぅぅぅぅ・・・・・・・・・。」 「そうぅ!美味い!おでん大根を作るのに手間隙惜しんじゃいけねいぜっ!」 「ははははははあ~っ!!!」 職人であった。 そして、三毛猫の作業は三日に及んだ。 とりあえず、お腹が減るとおでんではなくて、猫大好きふりすき~♪特選カツオ缶を食べていた様である。 なにぶん、私には仕事があったから、その間三毛猫がいったい何をしていたのか・・・・。 判らなかったのである。 そして、三日後・・・・。 私が仕事から帰ると、三毛猫が満足そうな顔をして出迎えてくれた。 「出来たぜっ!」 三毛猫はそう言うと、テーブルの上のおでん鍋を指差した。 それは今までに見たこともない素晴らしいおでんであった。 さて・・・・・。でも・・・・・・。はたして・・・・・・・。味はぅぅぅ??? そう思う気持ちもあったが・・・・。 漂ってくる香りからきっと味も最高ではなだろうかっ!といわざるをえなかった。 「さてっ!!じゃっ!食べるかっ!」 三毛猫がそう言ってテーブルに付く、私もちと遅れながらテーブルに付いた。 「「いただきまあ~すぅ!!!」」 最高の味であったぅ!!今までにこんなおでんは食べたことがなかったっ! そして、時間をかけた大根!!じっくりとダシの旨みが染み渡り!!絶品ぃ!!であったっぅ! 「美味しいですぅぅぅぅぅぅ!!!」 自然にそんな言葉が出てきていた。 三毛猫はうなずくと一言。 「うむ!」と言った。 そして、あっという間におでんは一人と一匹によってたいらげられてしまった。 「うむ!美味かった!」 「ほほんとっぅ!美味かったでぅぅぅ!!」 「じゃっ!帰るわっ!!」 三毛猫はそう言うとささっ!と窓から出て行った。 「あっぅつぉうううぅつぅとぅ!!」 私は呼び止めようとしたが・・・・・・。言葉にならなかった。 さて・・・・。 どう言う事だったのでしょうかぅぅぅぅぅぅぅ・・・・。 寒くなるとおでんの恋しい季節なのでしょうかぅ???? 三毛猫といえどもっ・・・・・・・・・・。 ねぅ!!
by katuo0076
| 2004-11-04 13:50
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