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冷静と情熱と夢と現実のあいだに。
 「香港の皆さんこんにちは。 香港的诸位你好」

「私の名前はミッキーマウスです。 我的名字是米基鼠标」

「どうぞ宜しくお願いします。 请请多关照」



 「ミッキー!何してるの?」

「やあ!ミニー。ご覧の通り中国語の勉強だよ」

「何で?そんな事してるの?」

「だって、ほら、これから香港出張とかもあるでしょっ!!」

「えっ?何のこと?」

「ほらほら、もうスグだろっ!例のオープニングっ!」

「えっ?もしかして!香港ディズニーランド??」

「そうそう!やっぱり、オープニングイベントには僕が行かなきゃはじまらないだろう!」

「ええ~っっ、だって~っ……」

「何が、だってっ~っだよっ!当然君も行かなくちゃ!2人で仲好いところ見せなくちゃ」

「あの~、ええ~、言いにくいんだけど……」

「なんだよっ!言ってご覧よっ!君と僕との仲じゃないかっ」

「あの~っっ……」

「さあっ!」

「ええつ~っ……じゃあっ言うわ!」

「どうぞっ!」

「昨日、オープンしたみたいよ!」

「えっっーーーーーーーーー!なにっ???」

「だからっ、香港ディズニーランドは昨日オープンしたの!」

「どどどどっどうしてぅっ!!!だっててっ、僕がいなきゃディズニーランドじゃないじゃないかっ!」







「ミッキー……。


  ふっ……。


    アナタっ……。


      もう今年で77歳になるのよ。


        もうイイカゲンに夢を見続けるのはやめなきゃ……」


「なっ、何をっ言ってるんだよっ!ミニー!!ミッキーマウスは世界に一匹!!じゃないかっ!」

「だから……。今時、そンな事誰も信じちゃいない……。小学生だって知ってるわ」

「君はなんて事言うんだっ!僕たちは夢を!何時までも夢を与えるのが使命じゃないかっ!」

「ええ、そんな事は判ってるわ。でも……」

「でも、何だよっ!」



「疲れたのよ。


  夢を与え続ける事に……。


    疲れたのよ……アタシ……」


「なんて事っ言うんだっ!それでも、君はミニーマウスなのかっ!」

「だって!回りに夢を与え続けていてばかり。私たちの、私たち2人の夢はいったいどうなってるの?」

「えっ……」

「何時まで経っても進展しない2人の仲。70年以上付き合っていたら結婚でもして家庭をもって子供が産まれて孫も産まれているわ!でも……何時まで経っても、私達は恋人のまま……」

「ミニー……」

「お願い!ミッキーもっと現実に目を向けて!そして、もっと私を見て!」

「ミニー……」

「お願い!ミッキーーーーーーーーーーーーーーー!!」

「ミニー……」
















そして、ミッキーの胸にすがり付き、泣き崩れるミニーの声だけが……。

東京ディズニーランド内、誰も知らないミッキーマウス控え室の中でコダマしていた……。
by katuo0076 | 2005-09-13 16:15
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